「Wi-Fiありにしたはずなのに表示が違う」「全店舗へ同じ支払い方法を入れたら、一部店舗では使えなかった」。Googleビジネスプロフィールの「属性」は短い情報ですが、来店前の判断に直接使われます。特に多店舗では、本部の共通情報だけで埋めると、設備や決済端末の店舗差を見落としやすくなります。
属性には、設備、支払い方法、バリアフリー対応、リサイクルなどがあります。表示される項目は業種、国・地域、店舗によって異なり、名称や選択肢も変わることがあります。また、店舗が直接編集した情報だけでなく、来店者からの情報などに基づいて入力される属性もあります。
結論は、属性を「検索に効きそうな項目」ではなく、利用者が来店前に確認する店舗の事実として管理することです。まず現地で確認し、店舗ごとの差を分けて記録し、保存後はGoogle検索・Googleマップの公開表示まで確かめます。
この記事は、Googleの公式ヘルプと開発者資料を2026年10月15日(日本時間)に確認して作成した一般向けガイドです。認証済みの実店舗アカウントで編集操作は行っていません。新機能の発表記事ではなく、属性を登録したことによる検索順位、表示回数、来店、売上を保証するものではありません。
属性とカテゴリ・サービスの役割を分ける
Googleビジネスプロフィールには似た項目がありますが、伝える内容が異なります。
| 項目 | 利用者へ伝える内容 |
|---|---|
| カテゴリ | その場所が何の事業か |
| サービス | その場所で何を受けられるか |
| 属性 | 設備、支払い、対応状況など、その場所に当てはまる事実 |
| ビジネスの説明 | 店舗全体の特徴や背景 |
たとえば「美容院」はカテゴリ、「ヘアカラー」はサービス、「車椅子対応の入り口」「Wi-Fi」は属性です。対応している支払い方法や設備を店舗名へ足したり、属性を表示するために実態と違うカテゴリへ変えたりするのではなく、それぞれの欄へ分けます。
カテゴリの選び方はGoogleビジネスプロフィールのカテゴリ設定ガイド、プロフィール全体の確認は初期設定・見直しチェックリストで確認できます。
先に「属性台帳」を作り、未確認を残せるようにする
管理画面は「はい」「いいえ」などの選択肢を表示しますが、社内の確認状態まで表してくれるわけではありません。入力前に、次の項目を店舗別に記録します。
- 店舗コードまたは店舗名
- Googleに表示された属性名
- 現地の状態
- 社内の確認状態:確認済み、未確認、対象外
- 根拠:現地確認、設備仕様、決済会社の管理情報など
- 確認した役割と確認日
- Googleへ保存した日
- Google検索・Googleマップで公開表示を確認した日
これはGoogle指定の書式ではなく、店舗差と確認漏れを防ぐための運用案です。顧客名、問い合わせ内容、健康情報などは記録しません。個人名が不要なら「店長」「施設担当」「本部決済担当」のように役割で残せます。
「いいえ」と「未確認」は別の状態
「車椅子対応の駐車場がない」と現地で確認した状態は「いいえ」です。一方、写真だけでは判断できず、店舗にも確認していない状態は「未確認」です。
確認できていない項目を、全店共通の「はい」や「いいえ」で埋めないことが重要です。 社内台帳では未確認のまま保留し、確認後にGoogle側の選択肢へ反映します。
属性名を社内で固定しすぎない
Googleは、利用できる属性が業種や国・地域によって異なり、動的に変わると案内しています。前年の台帳や別店舗の画面にあった項目が、現在の対象店舗に必ず出るとは限りません。
社内台帳にはGoogle上の最新名称と確認日を残します。「本部の項目一覧にあるから」という理由だけで、対象店舗の画面にない属性を追加対象にしないようにします。
現地で確認する順番
属性は、管理画面を見ながら推測するより、利用者の動線に沿って現地確認すると判断しやすくなります。
1. 入り口から店内までを歩く
バリアフリー属性は「段差が少なそう」といった印象ではなく、Googleの説明と現地の状態を照らします。
Google公式ヘルプでは、車椅子対応の入り口について、幅が1メートル以上あり、段差や階段がないことを目安にしています。段差がある場合は常設または取り外し可能なスロープが必要とされ、回転ドアしかない入り口は「いいえ」とされています。
同様に、車椅子対応のトイレ、座席、駐車場、エレベーターにも個別の説明があります。入り口だけを確認して、店内の全項目をまとめて「対応」にしないでください。
2. 設備を実際に使える状態か確かめる
Wi-Fi、屋外席、トイレ、駐車場などは「以前あった」「系列店にある」ではなく、現在その店舗で利用できるかを確認します。
- Wi-Fiは来店者が利用できるものか。有料・無料など、表示される選択肢と一致するか
- 屋外席は常設か。現在も利用でき、対象店舗の敷地・営業に含まれるか
- 駐車場は対象店舗の来店者が使えるか。別施設の駐車場を自店設備として扱っていないか
- リサイクル回収は、対象品目を現在も店舗で受け付けているか
季節限定や一時休止なら、次に見直す日も台帳へ残します。
3. 支払い方法を決済端末と運用ルールで確認する
支払い属性は、店頭のステッカーだけで判断せず、現在の決済端末と店舗の運用を確認します。
- クレジットカードのブランドごとの対応
- デビットカード、モバイル決済など、画面に表示された選択肢
- 一部メニュー、金額、時間帯で利用条件が変わるか
- 端末交換や契約変更後も実際に決済できるか
同じブランドでも、店舗ごとに端末や契約が違う場合があります。本部契約の情報だけで全店へ同じ属性を反映せず、例外店舗を先に洗い出します。
4. ビジネスアイデンティティは権限のある人が判断する
Googleは、オーナーの属性などを示すビジネスアイデンティティの項目も案内しています。これは設備の有無とは性質が異なり、組織やオーナーの情報を公に示す設定です。
店舗スタッフが外見や推測で判断せず、情報を公開する権限のある経営者・組織責任者が、公式ヘルプの条件と公開範囲を確認して決めます。フランチャイズや小規模ビジネスなど、項目ごとの条件も実画面と公式案内で確認してください。
1店舗で設定から公開確認まで進める
公式ヘルプの基本操作を、店舗確認の工程と組み合わせると次の順番になります。
ステップ1: 対象店舗と確認済み項目を照合する
管理権限のあるGoogleアカウントで対象店舗を開き、店舗名と住所を台帳と照合します。現地確認が済んだ属性だけを今回の変更対象にします。
ステップ2: 「プロフィールを編集」から「その他」を開く
変更したい属性のカテゴリを選びます。「設備」「お支払い」など、表示されるカテゴリは店舗によって異なる場合があります。
ステップ3: 属性ごとに選択肢を確認する
表示された属性名と選択肢を読み、確認済みの店舗事実に合わせて「はい」「いいえ」などを選びます。別店舗の入力結果をそのまま写しません。
ステップ4: 保存し、編集状態を記録する
保存日時と変更項目を台帳へ残します。保存直後を公開完了とは扱わず、承認済み・保留中・不承認などの状態を確認します。
ステップ5: Google検索とGoogleマップで公開表示を確認する
利用者側のプロフィールを開き、属性の表示内容を確認します。管理画面の値と異なる場合は、Googleによる更新や他の情報源も含めて見直します。
Googleは、編集内容の審査は通常10分ほど、場合によっては最大30日かかると案内しています。これはすべての変更がその時間で表示される保証ではありません。保留中なら同じ編集を繰り返すより、変更日時と状態を記録して確認します。
また、属性を「はい」にしても、すべての属性が常に同じ場所・同じ文言で表示されるとは限りません。対象店舗のGoogle検索とGoogleマップを実際に開き、利用者が見る表示で判断します。
多店舗では、共通値より先に差分を集める
ブランドルールが共通でも、建物、座席、駐車場、決済端末は店舗ごとに違います。最初から「全店共通」を作るのではなく、差が出やすい店舗を選んで確認します。
ステップ1: 差が出やすい店舗を少数選ぶ
路面店、商業施設内、複数階、小型店など、設備条件が異なる店舗を含めます。
ステップ2: 店舗ごとに現地確認する
入り口、店内動線、設備、支払い方法を確認し、未確認項目を残します。本部資料と現地が違う場合は、公開前に担当部署へ戻します。
ステップ3: 共通・店舗差分・対象外に分ける
全店で確認済みの値だけを共通候補にし、設備や契約が違う店舗は個別値として管理します。画面に出ない項目は無理に追加しません。
ステップ4: 1店舗で保存と公開表示を確認する
Google上の属性名、選択肢、審査状態、検索・マップでの表示を確認し、社内手順を現行画面に合わせます。
ステップ5: 同じ条件の店舗群へ広げる
建物や決済条件が同じと確認できた店舗へ反映し、店舗ごとに保存済みと公開表示確認済みを分けて記録します。
10店舗以上を管理する場合、Googleの一括アップロード用スプレッドシートでは、対象となる属性が列として表示されます。属性には「はい/いいえ」、URL、複数候補から選ぶ形式があり、店舗のカテゴリや所在地に当てはまらないセルは [NOT APPLICABLE] と表示されることがあります。
一括更新では、アカウントから最新の店舗情報と属性列をダウンロードして基準にします。古いひな型へ現在の属性名を手入力して再利用すると、変更された選択肢や対象外の項目を持ち込みやすくなります。ホテル固有の属性はスプレッドシートでは更新できず、GoogleはAPIまたはダッシュボードの利用を案内しています。
一括管理の店舗コード、変更列、プレビュー確認はGoogleビジネスプロフィールの多店舗一括管理ガイドで詳しく解説しています。
仮例:同じブランドでも3店舗の属性は違う
ここでは、判断手順を示すための架空の美容サロンを例にします。実在店舗の設備や運用実績ではありません。
- A店:路面店。段差のない幅1メートル以上の入り口を現地確認。専用駐車場はない
- B店:商業施設内。建物入り口から店舗までの経路とエレベーターを施設担当へ確認中
- C店:路面店。入り口に段差があり、取り外し可能なスロープの常備を確認できていない
この段階で、A店の「車椅子対応の入り口」をB店・C店へコピーしません。A店は確認済みの事実を設定候補にし、B店は施設側の確認が取れるまで未確認、C店は現状を店舗責任者と照合してからGoogleの選択肢を決めます。
支払い方法も同じです。A店とB店が同じ端末でも、C店だけ契約ブランドが違うなら店舗別に管理します。ブランド共通の案内と、Googleへ公開する店舗事実を分けることが、誤表示を防ぐ基本です。
Googleによる更新も定期的に確認する
Googleは、ビジネスプロフィールの情報を、店舗が登録した内容だけでなく、公開ウェブ情報、ライセンスを受けた第三者データ、ユーザー提供情報などから取得すると説明しています。情報が古い、または誤っているという報告を受け、プロフィールを更新する場合もあります。
一部の編集提案は、メールやサービス内通知から4日以内に承認・拒否するよう案内されます。公開情報で裏付けられる提案は、対応がないと自動公開される場合があります。また、ポリシー対応のため、事前の通知なしに適用される更新もあります。
そのため、設定時のスクリーンショットだけを正本にせず、次のタイミングで公開表示を確認します。
- 設備の追加、撤去、故障、利用休止
- 決済端末や対応ブランドの変更
- 移転、改装、テナント施設の変更
- カテゴリや提供サービスの変更
- Googleから更新通知が届いたとき
- 店舗や利用者から表示の違いを指摘されたとき
公式サイトにも設備・支払い・アクセス情報を載せている場合は、Googleと同じ店舗事実へそろえます。ただし、公式サイトを直せばGoogleの属性が必ず自動で同じ内容になるわけではありません。それぞれの公開表示を確認します。
うまくいかないときの確認
設定したい属性が表示されない
属性は業種、国・地域、店舗によって異なります。まず対象店舗、Googleアカウント、カテゴリを確認し、最新の画面に表示される項目を基準にします。
属性を出すためだけに、実態と異なるカテゴリへ変えないでください。別店舗で表示された項目を、対象店舗にも必ず提供される機能として扱わないことも大切です。
保存したが公開表示へ反映されない
編集状態が保留中、不承認になっていないか確認します。変更日時、属性名、選択値を記録し、Google検索とGoogleマップの両方で対象店舗を開きます。
審査中に同じ項目を何度も切り替えると、どの変更を確認しているか分かりにくくなります。公式案内の最大30日という表現を踏まえつつ、重要な誤表示が続く場合は、現地写真や公式サイトなど事実を説明できる資料をそろえてGoogleのサポート導線を確認します。
Google側の値が社内台帳と違う
Googleによる更新通知とプロフィールエディタを確認し、現在の公開表示が現地の事実と合っているかを先に判断します。Google側が正しく、台帳が古ければ台帳を更新します。Google側が誤っていれば、管理画面から正しい情報へ修正し、変更日と根拠を記録します。
外部システムや運用会社を利用している場合は、Google Business Profile APIで取得した店舗設定値と、Google検索・マップに表示されるGoogle更新後の値を分けて確認できるか質問します。公式APIには、店舗が設定した属性と、Google上の公開値を取得する別の方法があります。特定製品がこの確認に対応しているかは、契約・実装・権限を個別に確認してください。
一括ファイルに対象外の属性がある
[NOT APPLICABLE] は、その店舗のカテゴリや所在地では属性が当てはまらないことを示します。文字を削除して値を入れるのではなく、店舗のカテゴリと属性の対象条件を確認します。
一括ファイルにはURL型や選択型の属性もあります。「はい/いいえ」だけを前提に一括置換せず、最新の属性参照用スプレッドシートで許可される値を確認してください。
公開前チェックリスト
- 対象店舗の店名と住所を確認した
- Googleに表示された最新の属性名と選択肢を確認した
- 現地確認済み、未確認、対象外を社内台帳で分けた
- 「いいえ」と「未確認」を混同していない
- 入り口、店内、トイレ、座席、駐車場を個別に確認した
- 支払い方法を現在の端末・契約・店舗運用で確認した
- 別店舗の属性を確認なしでコピーしていない
- 保存済みと公開表示確認済みを分けて記録した
- Google検索とGoogleマップの利用者側表示を確認した
- 設備・決済・改装・カテゴリ変更時の見直し担当を決めた
公式資料の確認範囲
以下を2026年10月15日(日本時間)に確認しました。確認日は発表日、施行日、提供開始日を意味しません。属性は業種、国・地域、店舗によって表示項目が異なり、名称や選択肢も変わることがあります。公開前は対象店舗の最新画面と公式資料を確認してください。
