店舗ごとに口コミの案内方法が違うと、「A店では特典を付けた」「B店では高評価のお客様だけに声をかけた」「C店のQRコードが別店舗につながった」といった問題が起きやすくなります。
多店舗では、本部が全店共通のルールと確認方法を決め、各店舗が正しい店舗別リンクで案内する形が基本です。実際に商品やサービスを利用したお客様へ声をかけ、投稿するかどうかも、星の数や内容も、お客様自身に任せます。
Googleは、実体験に基づく口コミであれば、特典を付けたり内容へ働きかけたりせずに依頼することを認めています。一方、高評価になりそうな人だけを選ぶ、否定的な口コミを抑える、その場での投稿を強いる、スタッフへ件数ノルマを課す、特定の内容を書くよう求める、といった行為はポリシー違反です。
この記事では、例文を増やすのではなく、複数店舗で案内品質をそろえるための運用手順を解説します。
最初に、全店共通ルールと店舗別情報を分ける
全店でそろえるのは、案内文の一字一句ではありません。お客様に気持ちよく判断してもらうための基本ルールです。
全店共通にすること
- 実際に商品やサービスを利用したお客様へ、同じ基準で案内する
- 投稿の有無、星の数、書く内容はお客様に任せる
- 割引、無料サービス、景品、ポイントは、口コミの有無と切り離す
- 良い感想も悪い感想も、お客様自身の言葉として受け止める
- 投稿する場所と方法を伝え、いつ何を書くかはお客様に任せる
- スタッフや店舗の目標は、獲得件数ではなく正しく案内できたかで見る
Googleのポリシーでは、スタッフに一定数の口コミを募らせることや、スタッフ名など特定内容を含む口コミを依頼させることも、評価の操作に含まれます。「今月は1人10件」「担当者名を書いてください」といった指示は全店共通のNG例として共有します。
店舗ごとに管理すること
- Googleビジネスプロフィールの店舗名、住所、公開URL
- その店舗専用の口コミ投稿リンクとQRコード
- POP、領収書、メール、チャットなど実際に使う案内場所
- 店舗責任者と、リンク・掲示物の最終確認日
- 改装、移転、統合、閉店などでリンクを見直すきっかけ
- 日本語以外の案内が必要な場合の確認済み文面
全店共通の短縮URLやQRコードを使う場合も、利用者に店舗を選ばせる設計より、対象店舗の投稿画面へ正しく到達できるかを優先します。別店舗への誤投稿を防ぐためです。
本部と店舗の役割を決める
おすすめの分担は次のとおりです。これはGoogle指定の体制ではなく、誤案内と確認漏れを減らすための運用案です。
| 担当 | 主な役割 |
|---|---|
| 本部・ブランド担当 | 共通ルール、標準文、NG例、店舗別の記録、研修資料、改訂履歴を管理する |
| 店舗責任者 | 自店舗のリンク先、掲示場所、現場での案内、差し替え完了を確認する |
| 現場スタッフ | 任意であることを伝え、内容や評価へ介入せず、質問は責任者へ引き継ぐ |
本部だけでPOPを作って各店へ送ると、店舗の取り違えに気づきにくくなります。反対に、店舗ごとの自由作成では、特典や高評価依頼などのNG表現が紛れ込むことがあります。そこで、本部が型を管理し、店舗責任者がリンク先と掲示状態を承認する二段階にします。
店舗別のリンクとQRコードを作る
Google公式ヘルプでは、口コミ依頼用のリンクやQRコードを作成し、領収書、感謝メール、チャットの最後、店内掲示で共有できると案内しています。2026年10月14日時点で、QRコードの生成はパソコンのブラウザから行う手順です。
ステップ1: 対象店舗のプロフィールを開く
管理権限のあるGoogleアカウントで対象店舗を選びます。似た店名がある場合は住所まで照合します。
ステップ2: 口コミ依頼用のリンクを取得する
「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」を開き、リンクをコピーします。
ステップ3: 必要な店舗だけQRコードを保存する
パソコンのブラウザで表示したQRコードを保存します。ファイル名に店舗コードや店舗名を含めます。
ステップ4: 公開前に別の端末で読み取る
POPや配信文へ入れる前に、対象店舗の口コミ投稿画面へ進むか、店舗名と住所を確認します。
ステップ5: 店舗別の管理表へ確認日を残す
リンク、QRコードのファイル名、確認者、確認日、使用中の媒体を記録します。
QRコード画像だけを共有フォルダへ置くと、どの店舗用か分からなくなります。たとえば 店舗コード_店舗名_確認日 のように、社内で追跡できる名前を付けます。これはGoogleの命名規則ではなく、店舗取り違えを防ぐための例です。
案内文は「共通の核」と「店舗差分」に分ける
共通文には、次の3点だけを必須にすると運用しやすくなります。
- 来店・利用へのお礼
- 感想を任意でお願いすること
- 投稿内容と評価はお客様自身が決めること
店舗差分として変えられるのは、店舗名、案内する媒体、自然なタイミング、言語、問い合わせ先などです。星の数、書いてほしい内容、投稿特典、スタッフ別件数目標は「店舗ごとの工夫」には含めず、全店で扱わない項目として共有します。
たとえば、対面では短く声をかけ、お客様が好きなタイミングで投稿できるようQRコードを渡します。メールやチャットなら、来店のお礼に店舗別リンクを添える形が自然です。「この場でお願いします」「星5でお願いします」「担当者名を書いてください」ではなく、感想を本人の言葉で寄せてもらえる案内にします。
具体的な文面はGoogle口コミのお願い例文と、対面・LINE・POPでの案内方法、禁止事項の確認はGoogle口コミを依頼するときのルールと禁止事項を参照してください。
全店展開は6ステップで進める
ステップ1: 共通ルールを1枚にする
自然な案内とNG例を並べ、店長とスタッフが迷ったときにすぐ見返せる形にします。
ステップ2: 店舗別リンクの管理表をそろえる
店舗コード、店舗名、住所、投稿リンク、QRコード、確認日、確認者、使用媒体を1店舗1行で管理します。
ステップ3: 少数店舗で先に確認する
業態や接客方法が異なる店舗を選び、案内文、リンク先、掲示場所、お客様から実際に受けた質問を見直します。ここで出た迷いをルールや研修資料へ反映してから、全店へ広げます。
ステップ4: 店長がスタッフへ説明する
「感想は任意です」と伝える例、高評価になりそうな人だけを選ぶNG例、特典と口コミ依頼を分ける例を使って説明します。
ステップ5: 全店へ配布し、設置完了を確認する
本部はファイルを送って終わりにせず、店舗責任者からリンク確認と旧POP撤去の報告を受けます。
ステップ6: 定期点検と変更時点検を分ける
定期的な確認に加え、移転、統合、閉店、店名変更、担当者変更、案内媒体の改訂時にもリンクと文面を見直します。
研修では「迷う場面」をそろえる
ルールを読むだけでは、現場での判断がばらつきます。次の場面に対する対応を、店長会議や短い研修で確認します。
お客様から「星はいくつにすればよいですか」と聞かれた
「ご自身の体験に合わせてお選びください」と答え、星の数はお客様に任せます。
苦情を伝えたお客様にも案内するのか
苦情対応の最中は、まず目の前の問題を解決することに集中します。その後は、否定的な感想を持つ人だけを案内対象から外すのではなく、ほかのお客様と同じ基準で考えます。お詫びや補償も、口コミを書かないことや削除することとの交換条件にはできません。
お客様がその場で操作に迷っている
リンクやQRコードの場所まではスタッフが説明できます。星の数と本文はお客様自身に選んでもらい、その場で終わらなければ案内だけ渡して持ち帰ってもらいます。
店舗独自のクーポンと一緒に案内したい
クーポンと口コミ依頼は別々に案内します。来店者全員向けのクーポンなら、口コミの投稿や画面提示にかかわらず同じ条件で渡します。「口コミを書いた人だけ」「口コミ画面を見せた人だけ」という条件は、口コミへのインセンティブに当たります。
成果確認は件数ノルマではなく運用品質から見る
口コミ数だけを店舗やスタッフの評価にすると、選別依頼や強要を招きやすくなります。まず次の運用品質を確認します。
- 稼働中の案内物が、正しい店舗の投稿画面へつながる
- 旧版のPOPや禁止表現が残っていない
- 新任スタッフが、特典・選別・強要・内容指定の禁止を説明できる
- お客様から断られたとき、そのまま案内を終えられる
- 苦情対応と口コミ依頼を交換条件にしていない
- ポリシーや店舗情報の変更時に、本部から全店へ改訂を伝えられる
店舗別の口コミ数や評価も記録するなら、来店者数、季節、店舗の営業状況、既存口コミの削除・非表示などを一緒に見ます。案内の前後だけを比べて「この施策で増えた」と結論づけると、同じ時期の変化を見落とすためです。また、口コミ数は検索順位、来店、売上を約束する数字ではありません。
Googleは、虚偽のエンゲージメントに違反したと判断したビジネスプロフィールについて、違反口コミの削除に加え、一定期間の新規口コミ・評価の停止、既存口コミ・評価の非公開、警告表示などの制限を行う可能性があると案内しています。数を急ぐより、全店で正しい依頼を続けられる状態を優先します。
公開前チェックリスト
- 全店舗の口コミ投稿リンクを開き、店舗名と住所を確認した
- QRコードのファイル名から対象店舗を判別できる
- 案内文に星の指定、特典、件数目標、特定内容の指定がない
- 高評価になりそうな人だけを選ぶ手順になっていない
- 店舗責任者が掲示場所と旧版撤去を確認した
- お客様が断った場合や苦情対応中の扱いをスタッフへ説明した
- 移転・統合・閉店・店名変更時の更新担当を決めた
公式資料の確認範囲
この記事は、Googleビジネスプロフィール ヘルプとGoogleマップの投稿コンテンツポリシーを2026年10月14日(日本時間)に確認して作成しました。同日時点の公式手順では、QRコードの生成はパソコンのブラウザが対象です。
本部・店舗の役割分担、店舗別の記録、少数店舗からの展開、研修・点検項目は、公式ポリシーを多店舗で守るための運用例です。自社の体制に合わせて担当者を決め、Googleの管理画面で表示される最新の文言に沿って進めてください。
出典:クチコミを増やすためのヒント、リンクまたはQRコードを作成してクチコミをリクエストする、禁止または制限されているコンテンツ、ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限
